「なぜ働くのか?どんな人生を送りたいのか?もう一度思い出しましょう。」
この本は、タイトル通り、障がいを持つ方の就職ガイド本なのですが、障がい者以外の、一般の働く人にも学ぶところのある本です。
例えば・・・「会社に入るといろいろな人がいます。たくさんの人がいることは、やはり障がい者に対して理解がない人もいる、ということです。ある一定数、そういう人がいることは、避けられないというふうに思うしかありません。もうこの会社は嫌だと思うのではなく、どこの会社に行ってもそういう人は何人かいると考えて、そういう方とどうすれば一緒に仕事をしていけるか、ということを考えるようにしましょう。会社での人間関係は、仕事のコミュニケーションができればいい、というところがあります。誤解を恐れずにいえば、相手を好きになる必要はなくて、仕事をしていく意思疎通さえできればいいので、そこは割り切って対応しましょう。略 人間関係が合わない人がいる、ということだけでこの会社はだめと思うのではなくて、そういう人がいるのも会社だから当然だ、と思いましょう。」
3割強が3年以内に退職する大学新卒者が読んだら、視野が広がるのではないでしょうか。
著者の紺野さんは、自身が障がい者であり就職活動に大変苦労した経験があり、なおかつ現在は企業の人事担当者であるという、障がい者の「求職と求人」両方の視点を持っているという稀な方です。
そのおかげで、この本では、障がい者雇用の社会背景から就職活動を経て働き続けるための考え方まで、具体的で偏りない情報を得ることができます。
私は大学等でのキャリア支援では、担当が別部門となるため、直接、障がい者手帳を持っていると届出している学生を担当することはないのですが、届出を出していなけれども実は手帳を持っていたり、持っていなくてもボーダーだなと感じる学生が、もしも障がい者雇用枠での求職活動をした場合どうなるのか、その先のことを知ることができて、今後キャリア支援をしていくうえで、大変勉強になりました。
働きたい障がいをもつ人はもちろんですが
障がい者を雇用したい人、障がい者のキャリア支援をする(可能性がある)キャリアコンサルタント等キャリア支援者にもオススメの書籍です。